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ニュースファイル2008

〈2〉北海道新幹線札幌延伸の行方

期待される政治的決断

高橋知事、高向・道商連会頭ら関係者が50万人の署名を金子国交相に提出し、札幌延伸への道民の思いを伝えた=10月
高橋知事、高向・道商連会頭ら関係者が50万人の署名を金子国交相に提出し、札幌延伸への道民の思いを伝えた=10月

埋まらぬ財源不足

 北海道新幹線新函館~札幌間を含む整備新幹線未着工区間の来年度着工に向けた議論が、大詰めを迎えている。先月12日には、3ヵ月ぶりに与党整備新幹線建設促進プロジェクトチーム(PT、津島雄二座長)での議論を再開。国土交通省は、JRからの施設貸付料を原資とする建設費として、5,100億~6,000億円の充当が可能との試算結果を示したが、依然として9,000億円以上の財源不足は解消できていない。
 未着工3区間の建設費総額は、15年4月時点で約2兆円と試算されているが、近年の資材価格高騰などから、この金額を上回るのは確実な状況。建設費の3分の2となる国の負担額には、1兆5,000億円程度が見込まれる。津島座長は「さらなる検討が必要」と述べ、概ね10年程度としている工期の延長を含め、様々な可能性を検討する考えを示した。

当初から懸念の声

 整備スキームの見直し作業が始まったのは昨年5月からだが、財源問題については、当初から懸念の声が上がっていた。現行の整備スキームで財源として活用する既設新幹線譲渡収入が、今回は充当できないこととなっているからだ。
 新青森~新函館間の新規着工が盛り込まれた現行スキームでは、財源捻出のため、25~29年度上期分の譲渡収入を前倒しして活用。29年度以降についても、つくばエクスプレスや学園都市線といった都市鉄道線の償還財源に充当する予定となっている。
 このため、新規着工区間に充てられるものはない状態で、財源確保は前回より一層厳しいとの見方があった。

貸付料を財源に

 こうした中、政府・与党は、ことし1月のワーキンググループ初会合で、新たな財源確保策として、新青森~新函館間など建設中5区間の貸付料を担保に資金調達する案を検討していく方針を確認した。8月のPTで、国土交通省が、貸付料を原資とする建設費について、2,300億~3,300円との試算を提示。津島座長は、1兆円以上をさらに必要とする試算結果に対して、引き続き検討を求めた。
 先月のPTでは、高崎~長野間など既開業3区間の貸付料のうちの充当可能額約2,800億円を加え、8月から3,000億円程度を積み増し。国交省は、約5,100~6,000億円の活用が可能と報告したが、残る9,000億円以上の財源確保については、依然としてめどが立っていない状態だ。

申合せの見直しも

 こうした状況の中、津島座長が話す工期延長のほか、札幌~長万部間などの部分着工といった考え方も浮上している。一方、先週27日に自民党道代議士会が、「札幌延伸の実現」「21年度の三線同時着工」を緊急決議。翌28日には、関係18都道府県知事らの合同要請に対して、PTのメンバーでもある町村信孝衆議院議員が、工期延長や公共事業費の増額について言及。「安定的な財源を確保した上で着工」「概ね10年程度に工期短縮」としている16年12月の政府・与党申合せを見直す可能性も含め、来年度からの新規着工に前向きな姿勢をみせた。
 JR側の反発や財源不足での新規着工に財務省などが難色を示すが、これまでも同様の状況で、最終的な判断は政治に委ねられてきた。来年度予算案の財務省内示まで3週間を切る中、関係者らは「大きなヤマ場。とにかく着工の認可をもらうことが大事」(道幹部)と強調。「着工から数年はそれほど莫大な費用はかからない。数年経つと、建設中の区間が開業し、貸付料も確定できる。公共事業費の増額も含め、政治家の責任で新たなスキームを決めてほしい」。複数の関係者はこう語り、政治的判断のもとで、朗報が届くことを待ち望んでいる。

(北海道通信日刊建設版 平成20年12月2日付2面)

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