
じょうにし・たかひろ
昭和54年北大卒。平成11年留建次長、13年室建苫小牧港湾事務所長、16年局港湾建設課長、17年4国地方整備局港湾空港部長、ことし4月現職。
昭和31年11月9日生まれ、50歳。比布町出身。
食糧安定供給へ均衡ある整備/総合的な観点で防災対策を
豊かな自然に恵まれ、豊富な水産物、農産品を全国に発信する釧根管内。しかし、北海道の東端という立地条件の中で輸送上のハンデを抱え、その機能を十分に生かしきれてはいない。着任から5ヵ月、ビザなし訪問団の一員として北方領土を訪れるなど、地域と密着した開発行政の展開に向けて積極的に行動している釧路開建の上西隆広部長。一貫して「国民全体の食糧基地としてのインフラ整備」を唱え続けるが、あらためてその理念や施策の方針などを聞いた。
―管内の特徴と課題
大規模な酪農や水産業が展開され、安全で安心な農水産品が豊富。また、世界自然遺産の知床をはじめとする3つの国立公園や道立自然公園を有し、貴重で雄大な自然を活かした観光も盛んに行われている。
課題の1つは地場産品のブランド化。青森のリンゴ、新潟の米、フランスの水に負けない安全安心をうたった酪農製品などの北海道ブランドができるはず。合わせて需要の開拓、物流の開拓も必要。
―最近、北方領土のビザなし訪問団に参加されましたが、どのようなことを感じられましたか
領土返還ということに関しては難しいという印象を受けたが、いろいろな人との人的ネットワークができたことは貴重だった。
北方領土という問題を抱えている隣接地域を担当している以上、現地事情の把握に努めるのは当然のことであり、特に根室管内の基盤整備に際しては、こうした事情を押さえた上で進めていきたい。
―今後の社会資本整備の在り方について
地方のインフラ整備、開発行政に対する不当な評価が気にかかる。北海道は日本国民のための食糧基地であり、その食糧を生産・輸送するためのインフラ整備を行っている。それなのに、地元の利益、建設業界の利益のために公共事業を行っているというような誤った認識が広がってしまっている。こうした誤解の是正のためにはあらゆる努力を惜しまない所存である。
所管事業については、どの事業も待ったなしの緊急性の高いプロジェクトである。総合評価方式など、品質確保にかかる手続きにも膨大なエネルギーを使うが、国民・市民・納税者に対して満足していただける良い仕事をしたい。
―施策の展開について
東北海道は、安全・安心な食糧を安価で安定的に届けるという国家的な役割を担っている。そうした機能を果たすためには安全・安心で豊かな、魅力ある地域であることが必要。住民が地域に住まなければ守れないものであり、そのためのインフラ整備をバランスよく行っていく。
また、釧路・根室は地震の頻発地帯だが、道路、河川、港湾など個々に対策を考えていくのではなく「総合防災」という観点から各事業を捉え直しながら対策を施していきたい。
―新たな入札制度について
低入札は業界の発展という観点からも、国民、納税者に対する品質確保という観点からも非常に問題であり、断固として排除していかなければならない。
当開建では施工体制確認型を積極的に活用していく考えであり、低入札に対しては厳しく臨んでいく。
―建設業界に対して
いい品質のものを作ることとともに、地域への貢献も大切であり、地域から受けた表彰なども考慮するようなシステムを考えていきたい。
(北海道通信日刊建設版 平成19年9月26日付1面)


